「できるようになろうとしている子」と「そうではない子」~成績が伸びる子は~[#74]
同じ授業を受けているのに、成績が伸びていく子とそうでない子がいます。
「才能の差」ではなく、「学ぶときの姿勢の差」が大きく影響しています。ここでは、その違いをいくつかの場面で比べてみましょう。
1.授業を受けるときの姿勢
- できるようになろうとしている子
先生の話を「自分が使えるようになるため」に聞いています。板書を写すだけでなく、ポイントに線を引いたり、自分なりにまとめたりします。疑問があればすぐに質問し、「理解する」ことを目標にしています。 - そうではない子
ただ座って聞いているだけ。ノートをとっていても「写すこと」が目的になり、頭に残っていません。授業の時間が「通り過ぎるだけ」になってしまいます。
2.課題や宿題に向かうとき
- できるようになろうとしている子
課題を「自分の力を試すチャンス」と考えます。わからなければ教科書を見直したり、調べたりして「理解するまでやる」習慣があります。 - そうではない子
「とりあえず終わらせればいい」という気持ちで取り組みます。間違いがあっても直さずにそのままにしてしまい、同じミスを繰り返します。

3.吸収する量と記憶の持続
- できるようになろうとしている子
新しい知識を「使う」ことで記憶が定着します。授業で習った公式をすぐに問題に使ったり、人に説明したりすることで、長く覚えていられます。 - そうではない子
習ったことをすぐに忘れてしまいます。復習をしないので、せっかく学んだ知識が定着せず、テスト前にまた一から覚え直しです。
4.成績とその先にある違い
教育心理学の研究では、「学習への主体的な取り組み(自分からできるようになろうとする姿勢)」が学力差を大きく生むことがわかっています。
例えば、ベンジャミン・ブルーム(教育学者)の研究によると、「意欲的に学習に参加した子は、そうでない子より学習効果が2倍以上高くなる」という結果も報告されています。
この差は時間が経つほど大きく広がります。
- 成績が良くなる子 → 自信がつき、さらに意欲的になる → 成績がますます上がる
- 成績が伸びない子 → 自信を失い、やる気もなくなる → さらに差が広がる
つまり、「気づいたときには大きな差になっている」のです。

5.塾の先生の役割
塾の先生は、ただ「教える人」ではありません。
- できるようになろうとする気持ちを引き出す人
難しい問題でも「ここまでできたね!」と小さな成功を見つけて励まします。 - 正しいやり方を示す人
勉強の「コツ」を教え、「こうやればできるんだ!」という実感を持たせます。 - 挑戦の場を用意する人
生徒が一歩ずつレベルアップできる課題を用意し、「できる!」という体験を積ませます。
塾の先生がこうした関わりをすると、「勉強=苦しいもの」ではなく「努力すればできるようになるもの」と感じられるようになります。

成績が伸びないの子は、この点ができていない先生にみてもらっていることが多いんですよね。
ただただ授業だけしかできない先生って意外と多いですよ・・・。(これができるかできないかは、指導の経験年数というより、教える先生側の気持ちの問題ですね。)

小中学生は、自分でモチベーションをつくるのは難しいですからね。まわりのサポートってかなり重要ですね。
6.保護者の役割
家庭でのサポートはとても大きな影響を持ちます。
- 安心できる環境をつくる
「やってみたんだね」「ここまで頑張ったね」と声をかけることで、子どもは安心して挑戦できます。 - 結果より過程を認める
点数だけでなく、「毎日机に向かったこと」「前より早く解けたこと」を評価してあげましょう。 - 無理のないリズムを整える
十分な睡眠や生活リズムは、学習意欲や集中力に直結します。
保護者のちょっとした言葉や習慣づくりが、「できるようになろう」という気持ちを後押しします。
7.中学生へのメッセージ
「今の自分は、どちらのタイプだろう?」と考えてみてください。
もし「そうではない子」に近いなと思ったら、それは「才能がないから」ではなく「やり方を変えていないだけ」です。
今日からでも変えられます。
- 授業を「聞くだけ」ではなく「理解する」時間にする
- 課題を「やらされるもの」ではなく「力をつける練習」ととらえる
- 復習を「面倒くさいこと」ではなく「未来の自分を楽にする投資」と思う
小さな意識の変化が、未来の大きな差につながります。
最後に
がんばっている子は、その努力を続けてください。必ず大きな成果につながります。
そして今、あまりがんばれていない子も、気づいたときがチャンスです。遅すぎることはありません。
「できるようになろう」とする姿勢は、誰にでも手に入れられるものです。
今日から一歩踏み出してみましょう。

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