自分の勉強時間を奪われ、テスト前に友達に教え続けたら、・・・[#75]

高校生のころ、数学の単元テスト前に友達から「この問題教えて」と声をかけられ、説明していました。ひとりに説明が終わると、また別の友達がやってきて質問をしてくる。気づけば自分が復習する時間はなくなり、正直イライラしていたのを覚えています。

ところが、いざテストを受けてみると100点。
「え?自分の勉強時間がなくなったのに、どうして?」と不思議に思いました。

振り返ってみると、友達に説明する中で 解き方の手順やポイントを整理できていた のです。さらに、友達から「なんでここはこうなるの?」と質問され、それに答えることで、表面的ではなく、より深い理解に至っていました。

当時は「自分の時間を奪われた」とネガティブに感じていましたが、実は大きなプラスだったのです。

ノートは「解説書」になる

質問されるたびに説明していると時間が足りなくなるので、自分のノートを友達に見せることもよくありました。

ただ答えを書くのではなく、解き方が分かるように手順を整理して書く。すると友達も「これなら分かる」と言ってくれ、自分の理解も深まったのです。

このおかげで、テストの回答力も上がっていたようで、ある日、普段教わっていない先生から「君の答案は採点がしやすい!」と褒められたことがありました。字は汚かったのですが(笑)、解法の流れが整理されていたからです。この体験は今でも強く印象に残っています。
(この先生は、採点作業を手伝っていたそうです。)

「説明できる」ことが本当の理解

先生が一方的に教える授業は、一見効率的に思えますが、実際に生徒の理解度を高めるには限界があります。

本当に理解しているかどうかは、「自分の言葉で説明できるかどうか」で分かる のです。

  • 「分かった?」→「はい」→「じゃあ、次の問題」
    で終わらせてしまう先生が多いですが、
  • 「分かった?」→「はい」→「じゃあ、先生に説明してみて」

とすれば、生徒は説明するために聞いたことを整理しようとします。途中で言葉に詰まれば理解が不十分な証拠ですし、説明できれば自信につながります

実際、普段から「説明を求められる」と分かっている子は、話を聞くときから「どうやって説明しようか」と意識するようになり、学習効果が高まります

これが習慣化すると、毎回説明を求めなくても、話を聞く姿勢ができます。習慣化した子は、塾ではなくても学校や普段の生活時も同様の姿勢で話を聞けるようになるので、あらゆる理解力が向上します。

集団授業では一方通行の授業になりやすいですが、工夫すれば生徒と双方向の授業ができるのですが、それをできている先生はどれくらいいるのでしょうか。(そういった授業研修はないので、それができる先生はごく一部ですよ)
個別指導の塾では、生徒自身に説明させることがしやすいですが、それをやれている先生はどれくらいいるのでしょうか・・・。 

説明を聞けていたかどうかの判断を、類題演習をして、それが解ければOKという確認方法をとる先生もいます。それだけでは、「理解しているのか」「問題が解けているだけなのか」の判断はできません。その違いがわからないまま放置した結果、「あのときは問題が解けたのに、時間がたつと解けなくなってしまう、テストで解けない」ことになってしまいます。

学力を伸ばすカギは「人に教えること」

「でも友達に教える機会なんてないよ」と思う人もいるかもしれません。
しかし、説明する相手は友達でなくても構いません。先生でも保護者でも、自分自身に向かって声に出すだけでも効果はあります。

近年では、学校でも「生徒同士の教え合い」を取り入れる授業が増えています。ここではこの取り組みの是非の記載は避けますが、目的が達成できていれば非常に効果的な方法です。

まとめ

  • 人に教えることで、自分の理解が整理される
  • ノートを「誰でも分かる解説書」にすると、答案力も上がる
  • 本当に理解しているかは「説明できるかどうか」で分かる
  • 説明の相手は友達でなくてもよい

「人に教える」という行為は、勉強時間を奪うどころか、むしろ 学力を飛躍的に伸ばすチャンス になります。

もし成績を伸ばしたいなら、問題が解けるようになるだけでなく、「自分の言葉で説明する練習」を取り入れてみてください。


👉 このブログを読んだ保護者の方へ:
もしお子さんが勉強していたら、「どうやって解くのか教えて」と声をかけてみてください。説明できるようになれば、学力はぐんと伸びていきます。


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