成績が伸びやすい子の特徴 ~素直さが学力向上のカギ~[#49]
私たちはよく「幸せだから笑顔になる」と言いますが、逆に「笑顔でいるから幸せを感じる」とも言われています。
実は、この原理は学習にも当てはまるのではないかと、日々の教育現場で感じることがあります。
うなずきと学力の不思議な関係
長年教壇に立ち、多くの生徒を見てきた経験から、ある興味深いパターンに気づきました。授業中にうなずきながら話を聞いている生徒は、成績が伸びやすい傾向にあるのです。
教室を見渡すと、生徒の反応は大きく分けて三つのタイプがあります:
- 理解している時に見られるうなずき
- 理解できていない時の首をかしげる仕草や眉間にしわを寄せる表情
- そして何も表情に出さない無表情なタイプ
この中で特に注目したいのが、「うなずき」です。

なぜうなずくと成績が上がるのか?
興味深いことに、うなずく行為には脳に対する不思議な働きかけがあるようです。授業の内容を完全に理解していなくても、うなずくことで脳が「理解した」と錯覚を起こすことがあります。
「錯覚なんて意味がない」と思われるかもしれませんが、実はこの「わかったつもり」が学習において大きな違いを生み出します:
- 理解できないと思い込んだ生徒は、問題に取り組もうとしない
- 一方、「理解した」と錯覚している生徒は積極的に問題に挑戦する
- 結果として、実際に解けることもあれば、理解が足りない部分に気づくこともできる

この違いは大人の日常生活でも見られます。新しいスマホや家電を使うとき、最初は完全に理解していなくても「とりあえず使ってみる」ことで、使いながら理解を深めていきますよね。
行動できるかどうかが分かれ道
つまり、学力向上の秘訣は「行動できるかどうか」にあります。同じレベルの理解度でも、その後の行動が異なれば結果も大きく変わります:
- 「わからない」と思い込んで何もしない
- 「わかったつもり」で勉強してみる
初期段階では同じ理解度でも、後者の方が確実に学力が向上していくのは明らかです。
うなずき学習法の副次効果
「うなずき学習法」には、成績向上以外にも様々なメリットがあります:
- 教員からの評価が上がる(関心・意欲が高い生徒として認識される)
- 教員も生徒の反応に安心して、より充実した授業を展開できる
- 生徒と教員の間に良好な関係が構築される
2点目の「教員が安心する」というのは、プレゼンテーションの経験がある方なら共感いただけるでしょう。先生も話を聞いてもらう側なので、聴衆(生徒たち)がうなずきながら聞いてくれると安心感がありますが、首をかしげられると「何か伝わっていないかも」と不安になってしまうこともあるようです。

実践事例
実際に私の教え子の中には、この「うなずき学習法」を実践して成果を上げた生徒がいます。5教科合計で300点を超えられなかった女子生徒が、この方法を取り入れた後に350点程度まで点数を伸ばしたケースもありました。
もちろん、これだけで点数が上がったわけではないでしょうが、成績向上の一因になったことは間違いないでしょう。
私がこの話を生徒たちにすると、子どもたちが急にうなずき始める姿を見るのも微笑ましいものです。
素直な子は伸びやすい
これらの経験から導き出される結論は、「素直な子は伸びやすい」ということです。
素直さとは、新しい考え方や方法に対して心を開き、試してみる姿勢のこと。うなずきながら授業を聞く行為は、まさにこの素直さの表れといえるでしょう。
理解していなくても「わかりたい」という気持ちでうなずくこと。そして「できない」と決めつけず、まずは取り組んでみること。そんな素直な姿勢が、結果として学力向上につながっていくのです。
子どもたちには、時に「うなずくふり」をしてでも、まずは前向きに取り組む姿勢を持ってほしいと思います。その小さな行動の積み重ねが、大きな成長につながっていくことでしょう。

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