【脳葉強化】『角度難問2題』 ひらめきラボ《0040》 ~なぜ図形の難問が解けないのか~
解答:
問題1:45度
問題2:30度
問題1 解説:
2点B,Qを結ぶと下の左図のようにPD=3cm、DQ=6cmとなり、△PQDと△QBCは合同な図形になる。(※証明は下記参照)
合同な図形なので、下の右図より、aとbの角の大きさは等しい。
△PQDの内角の和より、a+b+90=180となり、a+b=90° となることがわかる。

△PQDと△QBCが合同になる証明
・・・
△PQDと△QBCにおいて、
図より、
PD=QC・・・①
QD=BC・・・②
∠PDQ=∠QCB・・・③
①~③より2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
△PQD≡△QBC
a+b=90° だから、Qは直線DC上にあるから、
∠DQP+∠PQB+∠CQB=180°
b+∠PQB+a=180°
よって、∠PQB=90°となる。
△PQDと△QBCは合同なので、
QP=BQとなることから、
△QPBは直角二等辺三角形となる。

よって、∠QPB(ア)は、45度となります。
問題2 解説:
下の左図のように、辺ACにおいて、点CからAの方向に延長線を引き、点BからCAの延長線に垂線を下ろす。
そのときの交点をEとする。
∠EAC=∠ABC+∠ACB=45°になり、△EBAは直角二等辺三角形になることがわかります。(1つの外角はそれにとなり合わない2つの内角に等しい。)

上の図より、∠EBC=45+15=60°となるので、△EBCは、三角定規(30°・60°・90°)の直角三角形になる。
この直角三角形の辺の比は、BE:BC=1:2となります。(上の右図)
次に、下の左図のように、EDを結ぶ。
BE:BC=1:2とBD=CDより、BE=BDとなることがわかります。
また、∠EBD=60°となり、頂角が60°の二等辺三角形は、正三角形となるので、△EBDは正三角形となる。

上の右図の△EBAは直角二等辺三角形より、EB=EAとなる。
△EBDは正三角形と△EBAは直角二等辺三角形より、ED=EAとなる。
下の左図で、ED=EA、∠AED=30°の二等辺三角形より、底角は1つ75°になります。

これまでのわかっている角度をまとめると、上の右図のようになり、
求めたい∠DAB(イ)は、75°-45°=30°となります。
外角と内角の関係
1つの外角は、それにとなり合わない2つの内角の和に等しくなります。
下の図のように、1つの外角は、aとbの2つの内角の和になります。

今回の問題の図では、下の図のようになり、45°が求められます。

いかがでしたか。
問題2では、図形の知識を色々と使わないと解けない問題でしたね。
学校では、知識を複数用いて解く問題はあまり触れる機会がない子も多いのではないでしょうか。
中学受験や高校受験では、知識を複合的に用いて解く問題がよく出されます。
なぜ「いくつもの性質を使う図形問題」が解けないのか
ChatGPTに、一流の塾講師になったつもりで、「図形の難問が解けないのはなぜ?」「解けるようにするためには?」と聞きました。
結論から言うと、
図形の難問は「知識」ではなく「使い方」を問われているからです。
子どもたちがつまずく理由は、大きく分けて 5つあります。
① 図形の性質が「バラバラに記憶されている」
多くの子は、
- 平行線 → 錯角
- 二等辺三角形 → 底角
- 外角 → 内角の和
を別々の公式として覚えています。
そのため、
「今、この場面で、どれを使えばいいのか」
が分からなくなります。
📌 子どもの本音
「知ってるけど、思いつかない」
② 「補助線=思いつき」だと思っている
難問ではよく
「補助線を引く」と言われますが、
多くの子は
- どこに
- 何のために
引くのか分かりません。
結果として
👉 当てずっぽうで線を引く
👉 ごちゃごちゃして諦める
③ 1手先しか考えられていない
図形の難問は
- この角を出すために
- その角を出すために
- さらにその前に…
という逆算の思考が必要です。
しかし子どもは自然に
「目の前の角」しか見られません。
④ 図形を「動かせない」
図形が得意な子は無意識に
- 角を移動する
- 形を分ける
- 重ねて考える
ことをしています。
苦手な子は
👉 描いてある形がすべて
👉 動かせない
⑤ 成功体験が圧倒的に少ない
難問は途中で詰まりやすい。
そのため、
- 「どうせ無理」
- 「図形はセンス」
という思い込みができてしまいます。
② 難問を解けるようになるまでのステップ
ここからが一番大事です。
いきなり難問を解かせてはいけません。
STEP①「性質を“使える言葉”にする」
❌
「錯角は等しい」
⭕
「平行線があったら、角を移動できる」
❌
「二等辺三角形の底角は等しい」
⭕
「辺が同じなら、角も同じになる」
📌
性質=道具
という感覚を作ります。
STEP②「角度を“目的”として見る」
常にこの質問をさせます。
「今、何の角がほしい?」
そして次に、
「その角を出すには、何が分かればいい?」
これは図形の逆算です。
STEP③「補助線は“理由があって引く”」
補助線は3種類しかありません。
① 平行線を作るため
→ 角を移動したい
② 二等辺三角形を作るため
→ 同じ角を作りたい
③ 三角形を作る/分けるため
→ 180°を使いたい
📌
「とりあえず引く」はNG
「◯◯を使うために引く」が正解
STEP④「1問を“分解”する練習」
難問は、実は
- 小さな角度問題
- 基本問題
の集合体です。
指導ではこう言います。
「この問題、実は3問分あるよ」
STEP⑤「解けた理由を言語化する」
解けたあとに必ず聞きます。
- なぜこの線を引いた?
- どの性質を使った?
- もし別の角を聞かれたら?
📌
これが再現性を生みます。
③ 子どもたちへの一番大切なメッセージ
最後に、子どもにこう伝えます。
図形の難問は、
頭がいい人の問題じゃない。「道具を知っていて」
「順番に使える人の問題」だ。
そして、
解けなかったのは、
センスがないからじゃない。
まだ練習の段階なだけ。


