「なんで頑張るときハチマキをまくのか?」―歴史・文化・心理から読み解く“頭に巻く魔法”―[#60]

夏になると、いよいよ受験シーズンが始まるという雰囲気になりますよね。
夏休みを利用して、進学校や学習塾などでは講習会や合宿が行われることも多く、そこで「ハチマキ」を巻いて勉強に励む生徒の姿を見かけることもあります。

私が以前勤めていた集団塾でも、勉強合宿などは実施していましたが、生徒がハチマキを巻いて勉強するような風習はありませんでした。
私は、集団塾時代、講習会や各種イベントを企画する立場にいたのですが、個人的に少し気恥ずかしさもあり、ハチマキを巻くような企画を実施したことはありません。

一度、生徒たちに「ハチマキを巻いてやってみるか?」と冗談めかして聞いたことがあるのですが、意外にも乗り気な生徒がいたのを覚えています。
その生徒は当時、成績がぐんぐん伸びていて、「もっと頑張れば、もっと良くなる!」という気持ちが強かったようで、モチベーションが非常に高かったのだと思います。

今回の記事では、「ハチマキを巻いて勉強することは、果たして効果的なのか?」という疑問をもとに、ハチマキを巻く理由について少し調べてみました。


1. ハチマキのルーツ――“非日常”を知らせるサイン

ハチマキは平安時代にはすでに登場し、戦や神事、冠婚葬祭など「特別な場面」で気持ちを引き締めるために締められてきました。実は『魏志倭人伝』にも木綿を頭に巻く風習が記されており、かなり古い文化だとわかります。ja.wikipedia.org


2. 実用面のメリット――汗止め&視界確保

運動会や祭りでハチマキを巻くと、汗が額から目に垂れるのを防いでくれるのは有名な話。昔の工事現場や合戦でも、血や汗の流れを食い止める“簡易バンドエイド”代わりに使われてきました。ja.wikipedia.org


3. 心理的なブースター効果

効果仕組み根拠
シンボルでセルフイメージを強化「必勝」などの文字が“自分はやれる”という自己暗示になるハチマキは精神統一や士気高揚のために用いられてきた文化的背景ja.wikipedia.org
Enclothed Cognition(着用認知)身に着けた“象徴的な服飾”が脳を「集中モード」に切り替える白衣実験で注意力が向上した研究(Adam & Galinsky, 2012)en.wikipedia.org
儀式化による不安低減「巻く」という一連の所作自体が簡易儀式となり、緊張を落ち着かせる儀式行動がパフォーマンスを高める研究(Brooks ら, 2016)hbs.edu
チーム一体感のスイッチ同じ色・形を共有することで「自分は仲間の一員」と感じ、協調行動が高まる色分けハチマキが運動会の団結に使われる例ja.wikipedia.org

4. 子どもが「頑張れる気持ち」を育てるコツ

  1. 目標を“見える化”する
    • ハチマキに自分の目標や好きな言葉を書いてみると、毎回巻くたびに目的を再確認できます。
  2. 成長マインドセットを意識する
    • 「失敗は成長のチャンス」と捉える考え方を家庭で共有すると、挑戦への粘り強さが伸びると研究報告があります。balance.mirainext.jp
  3. 小さな達成をすぐ褒める
    • “巻いて挑戦→うまくいった”という成功体験を短いサイクルで積むと、自己効力感が高まります。
  4. 仲間と巻いて“儀式”を共有する
    • 友だちと同じタイミングでハチマキを締めれば、「一緒に戦う仲間」という感覚が緊張を和らげ、集中力もアップします。

5. まとめ

ハチマキは単なる布ではなく、

  • 歴史的には 非日常を示すシンボルであり、
  • 実用的には 汗止めや視界確保のギアであり、
  • 心理的には “自分を戦闘モードに切り替えるスイッチ”です。

子どもたちにとっても、目標を宣言し、成長マインドセットで挑戦を楽しむ“プチ儀式”として活用すれば、勉強でも部活でもパフォーマンスを後押ししてくれるはずです。
あなたはハチマキをまくとしたら、どんな言葉を書きますか?


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