まだ本気になれていない受験生へ ― 夏前に覚悟を決めるということ[#109]

期末テスト前だったのに、
中学3年生・高校3年生のお子さんを持つ保護者の方から、こんな声をよくいただきます。

「うちの子、受験勉強を始めなきゃいけないのは分かってるみたいなんですが、なかなか本気になれないみたいで…」
「受験の話をすると嫌そうにするので、どう声をかければいいのか」

まだ本気になれていない受験生へ

実はこれ、多くの受験生が通る道です。
「やらなきゃいけない」という気持ちと「でも動けない」という現実のギャップ。
今回はその原因と、夏前にお子さんが変わるためのポイントをお伝えします。


成果が出ない受験生に共通すること

「うちの子は能力がないから伸びない」「自信がないから動けない」——そう感じている保護者の方もいるかもしれません。
しかし、長年受験生を見てきた経験から言えば、成績が伸びない本当の原因は「才能」ではありません。

能力が高くても結果を出せない子がいる一方で、最初は成績が振るわなかったのに最後に大逆転する子も毎年います。
その違いはただひとつ。

「自分はできるようになる」と信じて、今日も行動できるかどうか。

自信とは根拠のない思い込みではありません。
「やれば変われる」と信じて、机に向かい続ける覚悟のことです。


実際にあった話:夏前に覚悟を決めた生徒のケース

以前、こんな生徒がいました。(プライバシーに配慮し、一部内容を変えています)

📌 Aさん(中学3年生)の場合

6月の時点で英語の定期テストは50点台。毎日スマホを手放せず、勉強机に向かっても30分が限界でした。
「どうせ無理」という言葉が口癖で、お母さんも「このままでは志望校は無理かも」と心配されていました。

転機は夏休み直前の面談。「合格した自分の姿」を具体的に描いてもらい、「やると決める」という覚悟を引き出したこと。
夏休みの間、毎日2〜3時間の学習を積み重ねた結果、秋には英語が70点台に。
最終的に第一志望の公立高校に合格しました。

📌 Bさん(中学3年生)の場合

部活動に打ち込んでいたBさんは、引退後も受験モードに切り替えられず、夏休みをほぼ無為に過ごしていました。
9月から本格的に学習を開始しましたが、基礎が不十分なまま教達検や進路指導。第一志望校を変更という結果に。

「もし夏に動いていたら」——これはBさんが振り返ってくれた言葉です。
夏は取り戻せない時間だということを、身をもって経験した事例です。

夏前に覚悟を決めた生徒の事例

2人の違いは能力でも環境でもありません。「今動くと決めたかどうか」、ただそれだけでした。


「受験が嫌」は当たり前。でも親が知っておくべき視点

受験が楽しくて仕方ない、という子はほとんどいません。
友達と遊びたい。スマホを見たい。好きなことをしたい。
それでも毎日勉強しなければならない——嫌になるのは当然のことです。

保護者の方には、ぜひこの視点を持っていただきたいと思います。

受験生に必要なのは、「やりたいかどうか」の気持ちではなく、
「やると決める」という意志です。

プロのアスリートも毎日楽しい練習だけをしているわけではありません。
苦しい練習を続けられるのは、「勝つと決めているから」
受験も同じです。志望校に合格すると決めた人だけが、行動を変えられます。

「なんで勉強しないの」という問いかけより、「どの高校に行きたい?その高校で何がしたい?」という問いかけの方が、子どもの覚悟を引き出しやすくなります。


夏休みは「差がつく」のではなく「差をつける」期間

今日から変わる子が半年後に笑う

受験生にとって夏休みは特別な時間です。
学校の授業がなく、自分のためだけに時間を使えるこの期間は、受験全体を通じて最も大きく成績を動かせるタイミングです。

夏が終わった後に後悔しないために

  • 今の成績が悪くても、取り戻せる時間はまだある
  • 勉強習慣がなくても、夏に作ればいい
  • 本気になれていなくても、今日から変わればいい

問題なのは成績ではなく、「どうせ無理」「まだ大丈夫」と自分の可能性を閉ざしてしまうことです。


今日から変わる子が、半年後に笑う

受験は特別な才能がある子だけの戦いではありません。
毎日少しずつ前に進める子が勝ちます。

今日1時間頑張る。明日も机に向かう。それを積み重ねる。
その先に、自信が生まれます。

「自信があるから行動するのではない。
行動するから自信が生まれる。」

もしお子さんが今、受験から逃げたいという気持ちを持っているなら、こう問いかけてあげてください。

「半年後、後悔しない自分でいたい?」

答えが「YES」なら、やるべきことはひとつ。
覚悟を決めること。
この夏は、一度しか来ません。


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