「理解≠できる」反復練習の大切さ – 学習における成功の鍵 ［#44］
「理解できる」と「ミスなく正答できる」は全く異なるものです！
以前勤めていた集団授業のときも、現在の個別指導をしていても感じることですが、2学期から通う生徒たちを見ていると、1学期時に学習した計算の定着度の低さを感じることが多いです。
（今回は数学をメインとして話を進めていきますが、）
式の展開や因数分解、1次式の計算、正負の数、分数の計算など、基礎的な計算スキルは、単に「わかった！」で終わらせてはいけないのです。
これらの計算問題の仕組み自体は簡単なので、授業で聞けば”うん、うん”と理解できる子がほとんどです。理解はできているものの、いざ問題を解くと正答にならないこともあります。
数学に限らない話ですが、「理解できたから解ける」とは限りません。
理解できたことで満足してしまい、そこで学習を終えてしまうと、本当の定着には至らず、危うい状態にいることに気づかないまま2学期の新単元に突入してしまいます。
なぜ反復練習が必要なのか
計算単元を終えると、2次関数や2次方程式、三平方の定理など、より複雑な内容を学びます。このとき、ルート(平方根)の計算や因数分解、展開の計算が必要になってきます。「計算の仕方は分かっているつもり」でも、反復練習が足りないために正答にたどり着けない生徒が多いのです。
これは少し厄介な問題です。新しい単元を学びながら、以前の基礎計算も同時に克服しなければならず、通常の2倍の労力が必要になってしまいます。
「分からない」の正体を見極める
問題を解いていてミスをした時、それが以前の単元の計算ミスなのか、現在学習中の単元の理解不足なのか、判断できない生徒も少なくありません。自己診断ができる生徒なら修正も可能ですが、そうでない場合、新しい単元は実は理解できているのに、基礎計算でつまずいただけで「この単元が分からない」と誤った判断をしてしまうのです。
九九から学ぶ反復練習の重要性
小学生の頃を思い出してください。九九は何度も繰り返し練習しましたよね？
小学生のころは、比較的素直な子が多いので、先生や保護者が”やろうね”、”覚えようね”と言えば、一緒に頑張って反復したのではないでしょうか。
この反復のおかけで、九九を使いこなせるようになってきます。ただ、この反復をせずにいる子も中にはいるようで、小学生の中でも3年生になったときに、九九の計算を用いるときに、正確な計算ができないせいで、小3で学ぶ単元を理解できないと誤って判断してしまうこともあるようです。
中学生の学習意欲を引き出す
小学生は大人に言われれば素直に練習に取り組みますが、中学生は違います。自分で必要性を感じなければ「やらない」という選択をします。
中学生になると、小学校低学年のころのように、素直に反復練習ができなくなる子が増えてきます。当然、反復練習をしていないので、その影響はのちにどんどん大きくなっていきます。中1ならまだよいのですが、中3生になると自己判断する子がほとんどで、”この程度やれてればOKでしょ”と判断するようになります。この判断基準は、かなり甘いことが多く、定着するまでの演習量が積めていない子がほとんどです。
「理解できているからもう大丈夫！」という判断ですね。
(3x+4y)2＝9x2＋16y2 など平気でやりますからね。
”今やっている計算をどのような形で使うのか”、”どのレベルまで使いこなせておけばよいのか”などを伝えると必要性を感じ、使いこなせるようになるまで反復する生徒が出始めてきます。
なぜ反復練習が必要なのかを理解させることが重要なのです。
塾の役割と理想の教育
塾は、単に勉強内容を教えるだけでは意味がないと思っています。
生徒に”あ！ここまでやっとかないといけないのか！”というような「気づき」を勉強内容と一緒に伝えなければなりません。この「気づき」を与えるのが重要なのです。
しかし、残念ながら、生徒に気づきを促せる先生とそうでない先生がいるのも事実です。私たちLEAFでは、生徒が自ら必要性を感じ、主体的に学習に取り組める生徒を育てることを目指しています。
学習内容をただ伝えるだけなら、YouTubeやAIを利用し学習をすることはできます。
しかし、目の前の生徒一人ひとりに合わせた声かけができるのが、対面授業かつ個別指導塾です。(以前勤めていた集団塾の講師時代、私は生徒一人ひとりへの声かけを意識していたものです。それをできる先生は実は少なく、集団塾だな～と感じることが多くありました。退職前の数年は、それを変える立場で頑張っていましたが…）
勉強内容だけを教える塾なら、YouTubeの方が教え方がうまい先生はたくさんいますからね。対象動画を探すのが手間ですが、映像も絡めてやっている動画は役に立ちますよね。
好循環を生み出す学習環境
反復練習の必要性を理解し、納得した上で取り組む学習は、「やらされる勉強」から「学ぶ勉強」へと変わります。その結果、成績が向上し、さらなるモチベーションにつながる好循環が生まれるのです。
塾の先生の本当の仕事は、単に勉強を教えることではありません。生徒一人ひとりの可能性を引き出し、より良い方向へ導くことです。会社延命のための運営も大切なのでしょうが、生徒のための運営を一番に考えた塾、熱意ある先生が増えていくことを、心から願っています。
【LEAFの体験授業・お問合せは】
・体験授業・ご入会・ご退会 ～2025年度入会予約受付中～
・お問い合せ
【学力支援ページもご覧ください】
・【脳葉強化 ～ひらめきラボ～】 脳細胞フル回転！問題解決への挑戦！
・ 頑張る子のために～反復プリント～【ダウンロードページ】
