毎日通ってるのに、気づいてる人がほとんどいないこと。[#104]
毎日の通学路にもあるし、別に珍しいものでも何でもない。でも、「よく見ている人」だけが気づく、ちょっとした不思議がそこには隠れています。
ちょっと考えてみよう
晴れた日の風景を思い浮かべてください。
下のイラストはどちらかが「夏」、どちらかが「冬」ですよ

電線がゆったりたるんでいるか、ピンと張っているかのちがいですね。
実はこれ、理由があってたるみ方が変わるんです。ちょっと考えてみてください。
電線はなぜたるむのか
正解は「夏はたるみが大きく、冬はピンと張る」です。
理由は熱膨張。金属は温度が上がると少し伸び、冷えると縮む。これは理科で習う話ですよね。
夏の暑い日、電線も太陽に熱せられて長さが伸びます。ところが電柱と電柱の間の距離は変わらないので、余った分が下にたれてたるむわけです。
冬は逆。気温が下がって電線が縮もうとするから、ピンと張った状態になります。
電線は最初から「少し長めに」作られています。冬に縮んで切れないように、あらかじめ余裕を持たせてあるんですね。設計する人たちは、夏も冬も安全に使えるよう、この伸び縮みをちゃんと計算に入れています。
……ここまでは、まあ理科の話。
でも、もう少し電線を見てみると、もっと面白いことに気づきます。
この「カーブ」、適当じゃないんです
電線がたるんでできる「U字のカーブ」、よく見たことありますか?
ぼんやり眺めていると「まあ重力でそうなるよね」で終わりそうです。でも実は、あの曲線は適当にできているわけじゃない。
「放物線(2次関数のグラフ)に似ているけど、じつは微妙に違う」特別な形をしているんです。

青がカテナリー曲線、赤の点線が放物線。よく似ているけれど、底の部分の丸みが少し違います。
この曲線に、ちゃんと名前があります。カテナリー曲線(英語では catenary)。ラテン語の「鎖」を意味する言葉が語源です。
鎖を両端から持ってぶらさげると、自然にこの形になる。そこからついた名前なんですね。
身近なところにも、この形がある
カテナリー曲線、実は電線だけじゃないんです。
💎ネックレス
チェーンを首にかけると、胸元の曲線がまさにカテナリー
🌉吊り橋
メインケーブルのたるみもこの曲線に近い形をしている
⛩️アーチ構造
カテナリーを逆にしたアーチは、力が均等に分散してとても強い
特に「逆カテナリー」はすごくて、あのアーチ状の構造は重さを効率よく分散させるので、古くから橋やトンネルの設計に使われてきました。重力の形に沿っているから、自然と強くなるんですね。
こういう「形」を言葉にするのが、数学の仕事
じゃあ、なんで数学の話になるの? と思うかもしれません。
カテナリー曲線は、重力と張力がつりあった結果として自然に生まれる形です。で、この形を「正確に表せる式」があります。それが関数のひとつ。設計者が橋を作ったり、ケーブルの長さを計算したりするとき、この関数を使って「どこでどれくらいのたるみになるか」を求めるわけです。
関数って、教科書の中だけのものに見えますよね。でも実は「現実の形を言葉(数式)にする道具」なんです。電線のたるみも、橋のケーブルも、ネックレスの弧も、全部ひとつの式で表せてしまう。
「y=…」みたいな式が出てきたとき、「これ何のためにやるの?」ってなることありませんか。気持ちはよくわかります。でも、こうして身の回りの「なんでこの形なんだろう」という疑問の答えが、関数のなかに詰まっていたりします。
電線ひとつ眺めても、熱膨張の話があって、季節との関係があって、カーブの名前があって、その形を説明する数学がある。
関数の勉強、少しだけ見方を変えてみると、教科書の外で思いがけない場所に出会えるかもしれません。
次に空を見上げたとき、電線のたるみがちょっと違って見えたら嬉しいです。
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