受験直前の環境変更は危険?成功する受験生の賢い選択とは[#40]
高校入試が目前に迫った時期、特に1週間前のタイミングで、学習環境を変えることのリスクについて考えてみました。このタイミングでの変化は、子どもたちにとって良い結果を生むどころか、むしろ負の影響を与える可能性が高いのではないでしょうか。
今回は、その理由や背景さらに考慮すべきポイントについて述べていきます。
はじめに
「残り1週間、何とか成績を上げたい!」
「このままではまずい、環境を変えて気分を一新させよう!」
このような焦りの気持ちから、受験直前に学習環境を大きく変更しようと考える方がいらっしゃいます。しかし、これは実は大きなリスクを伴う選択かもしれません。今回は、なぜ受験直前の環境変更が危険なのか、そして本当に効果的な受験直前の過ごし方について、詳しく見ていきましょう。
環境変更がもたらすストレスの実態
私たち人間は、環境が変わることで予想以上のストレスを感じる生き物です。大人でさえ、転勤や部署異動といった環境の変化に適応するまでには相当な時間とエネルギーを要します。まして、受験を控えた子どもたちにとって、環境の変化は想像以上の負担となる可能性があります。

具体的に、環境変更によって生じる影響には以下のようなものがあります:
- 学習に集中できない状態が続く
- 不安感や緊張感の増大
- 睡眠の質の低下
- 体調の乱れ
- 精神的な疲労の蓄積
これらの影響は、単独でも十分に深刻ですが、複合的に発生することで、より大きな問題となってしまいます。
子どもの繊細さを理解する
子どもたちは、大人が考える以上に繊細な存在です。環境の変化に対して、驚くほど敏感に反応することがあります。例えば、中学1年生になったときの「中1ギャップ」という現象は、その典型的な例といえるでしょう。ほかにも「小1プロブレム」や「高1クライシス」などもありますね。いずれも環境変化による負担が大きくかかるタイミングです。
特筆すべきは、子どもたちの成績が、本人の努力だけでなく、周囲の環境やメンタル面に大きく影響されるという点です。ある興味深いケースでは、母親の生活環境の変化が、間接的に子どもの成績低下につながったということがありました。母親は子どもへの影響を最小限に抑えようと努力していたにもかかわらず、その無理な努力自体が子どもにストレスを与えてしまったのです。
環境変更のプラス面とマイナス面
環境変更が必ずしも悪影響ばかりをもたらすわけではありません。適切なタイミングで行われた環境変更は、以下のようなプラス効果をもたらす可能性があります:
プラスの効果
- モチベーションの向上
- 新しい学習方法との出会い
- 集中力の改善
- 気分の一新
- 学習効率の向上
しかし、これらのプラス効果が現れるまでには、必ず「適応期間」が必要です。専門家の意見によれば、新しい環境に完全に適応するまでには、最低でも1ヶ月程度の期間が必要とされています。
マイナスの効果
- 一時的な学習効率の低下
- 不安感やストレスの増大
- 生活リズムの乱れ
- 体調不良のリスク
- 集中力の低下
受験直前の理想的な過ごし方
では、受験まで1週間という時期に、本当にすべきことは何でしょうか?
生活習慣の整備に注力する
- 規則正しい睡眠時間の確保
- バランスの取れた食事
- 適度な運動
- リラックスする時間の確保
学習面での注意点
- これまでの学習方法を急激に変更しない
- 新しい参考書や問題集に手を出さない
- 基礎的な内容の最終確認に重点を置く
- 得意分野の復習で自信をつける
成功する受験生の特徴
実際に成功を収めた受験生に共通する特徴として、以下のようなポイントが挙げられます:
- 直前期は大きな変更を避け、安定した生活リズムを保つ
- 無理な詰め込みをせず、確実に身についている内容を中心に復習する
- 十分な睡眠時間を確保する
- 家族との穏やかな時間を大切にする
- 試験当日のイメージトレーニングを行う

まとめ:賢明な選択のために
環境を変更する必要性を感じた場合、その時期として望ましいのは、試験の1ヶ月以上前です。特に、入試の1週間前という時期は、これまでの努力を確実に結実させるための大切な期間です。この時期に必要なのは、新しいチャレンジではなく、これまでの学習の総仕上げと、心身のコンディションを整えることなのです。
受験生の皆さん、そして保護者の方々。焦りの気持ちはよくわかります。しかし、直前の環境変更という「無謀なチャレンジ」は、かえって本来の実力を発揮する妨げになりかねません。
この時期には、生活習慣の安定とメンタル面のケアに集中し、子どもが自信を持って試験に臨めるようサポートすることが重要です。この時期は次のことに集中しましょう:
- 規則正しい生活リズムの維持
- これまでの学習方法の継続
- 十分な睡眠時間の確保
- リラックスできる時間の確保
最後に一言。受験生の皆さんは、これまで本当によく頑張ってきました。直前期は、その努力を最大限に活かすための準備期間です。慌てることなく、自分を信じて最後まで進んでいってください。
きっと、その努力は必ず報われるはずです。
2025年1月、大学入試直前に予備校が閉校したニュースがありました。「これまで十分に学んできたのだから、最後の数週間くらいは大きな影響はないだろう」と考える方もいるかもしれません。確かに、大学入試では最後の数週間で学力が急激に伸びる可能性は低いでしょう。
しかし、このニュースを見て私が最も懸念したのは、受験生たちへのメンタル面でのサポートが失われることでした。慣れ親しんだ塾や予備校という学習環境で、いつも通りの勉強ができなくなることは、受験生にとって大きな不安要素となります。特に、信頼関係を築いてきた先生方との関係が突然絶たれることは、精神的な影響が非常に大きいと考えられます。
共通テストは終了しましたが、この状況が受験生たちに与えた影響が最小限に抑えられることを切に願っています。
話は少し変わりますが、受験直前にもかかわらず、学習環境を変化させてまで生徒集客する塾があります。なぜ、無理な生徒集客をするか、その目的は明白です。同業者としてこれ以上の言及は控えますが、生徒たちの成長を第一に考え、適切な講座やカリキュラムを提供する塾が増えていくことを願っています。
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